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Shiunからの手紙

Live different.

大切なものは、欲しいものより先にくる

Day 86:新集(xinji)- 元墩(yuandun)= 27.0km

10日ほど手紙が更新できず、ご心配をおかけしました。

山越えでいちど電波が途絶えた後、また山々を越えて、汉中(hanzhong)という街で叔父さんと再会し、テントと寝袋を再び荷物に加えて、なんとか旅を続けています。

二度目の旅のスランプ。今回は初回より、大きなスランプの波が押し寄せました。スランプの原因は、身体の疲労ではなく、精神的な弱さからやってきました。僕は精神的に弱ると、自分の殻に閉じこもりたがるタイプで、其の間、しばらく手紙を書けずにいました。毎日歩くのも次第に楽しめなくなり、なぜ自分がいま歩いているのかすら訳が分からなくなり、頭の中はぐちゃぐちゃな状態で、それでもなんとか足を前に踏み出し続けました。

スマホのマップアプリを使って、毎日の道のりを決め、地図に沿って歩くのは簡単でも、道中の頭の中を整理する大変でいつしか迷路に迷い込み、進むべき道を見失ってしまいました。心身は繋がっていて、心が不安でいっぱいになると、身体の調子も悪くなり、負のスパイラルに陥ります。こうなると、すぐに這い出すことはできず、無理はせず、時間をかけてゆっくりまた元気が湧き出るのを待つしかありません。

この旅で、歩くのが辛くて旅をやめようと考えたことはありませんが、旅の意義の部分で、なぜ自分はこの旅をしているのか。はたまた、ここ数年自分が歩んできた道のりは、本当に自分が欲しいものを手に入れるためだったのか疑問になり、旅をやめたくなるほど自分を追い詰めてしまいました。僕が、大切な人を結果的に犠牲にしてまで追いかけてきたものは、それほど自分にとって欲しいものだったのか。自分勝手な選択によって、その大切な人を失った今、この旅の道中で、幾度となくこの質問を自分に繰り返しました。

「自分が本当に欲しいものは何か」

この質問より大事なのは、「大切なものは、欲しいものより、先にくる」ということです。

過去から学び、後悔の痛みも、未来でいつか輝かせる日が訪れるよう、今をしっかり生きよう。

旅は、続きます。

Total: 1527.3km



しうんより