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Shiunからの手紙

Live different.

村を消していく、都市の津波

中国徒歩横断記

Day 41:临汾(linfen)- 古城镇(guchengzhen)= 34.1km

 
快適なユースホステルにもう一日滞在したい気持ちはあったが、やはり今日からまた歩道に戻ることにした。
 
一日の休み明けに歩き出すと足取りが重く感じられ、これからは休みの日でも、一時間ほど散歩するように心がけたい。
 
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夜の小さな吸血鬼に耐えかねて、中国式電動蚊取り線香を購入し、早速昨晩から使ってみたところ、一滴も血を吸われずに朝を迎えられた。これから電気さえあればもう一安心だ。
 
7時にユースを出発し、朝ごはんをささっと食べて歩きはじめた。猛暑に突入した今、朝の涼しい時間帯にどれだけ歩けるかが、一日の要となる。
 
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歩いて街を抜け…
 
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川を越えて…
 
今日から遠回りする国道108を三日ほど外れて、近道の省道232のルートを行く。
 
省道に入る前、とある農村を通りすがって辺りの光景に驚愕した。
 
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一面瓦礫の山の村…まるで3.11後、ボランティアで行った石巻で見た津波の後の光景が広がっていた。
 
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中には、壊されかけた家がまだ残っていた。
 
なぜ、この村は瓦礫の山と化したのか。歩きながら広がる光景を目の辺りにして、どうしても気になって、水を買うついでに、瓦礫の山を少し先にいった地元の人が運営するコンビニで聞いてみた。
 
すると、なんとこの村は、都市開発で高層ビル一帯に建て替えるために、農村の人たちの家を次々に壊していき、いずれはこの村すべてが都市の押し寄せる津波に飲み込まれるのだという。
 
具体的に農村の人たちに対して、政府はどのような待遇を施すのか詳しくは分からないが、新しく建て替えられたビルに移住する権利が与えられるらしい。
それはまるで、人工的に津波を起こして、人々の家を壊していき、結果住めなくなった家から仮設住宅に移住させるようなものではないか。
なんて理不尽で無残なんだろう。。
瓦礫の山と化した村は、まるで戦争が起こった後のようにも見受けられる。国家によって正当化された戦争が、同じ中国国内のあちこちの農村部で、すでにはじまっているのだ。
経済発展のために、こんな無駄なことを正義のふりをして堂々と行っているお国に腹が立った。
 
いまの中国の社会のシステムと都市開発のあり方に疑問を抱かずにいられない。だいたい都市はどの都市も似たり寄ったりで、全く面白みがない。狭い都市の一角にギュウギュウに積み込まれた人々。人が数多く集まれば、より多くの住処(高層ビル)が必要となり、その中で経済は発展し、都市部郊外(農村や海外)から、あらゆるものが集められて、ひたすら消費されていく。そして汚染されていく。
 
そんな都市に住む価値はあるのか、必要はあるのか。
 
以前一年ほど東京に住んでいた僕は、その後東京を飛び出して、地方を旅しながら暮らしてみて、東京(都市全体)はまた戻って住みたい場所ではなくなった。
 
実際に、中国の農村に住む人に出会って話に聞いたのは、農村部で暮らす人は都会に憧れを抱き、都会で生活したいと思っていること。そして都心で暮らしたことがある人は、農村での生活を望んでいる人がいることだ。都心と農村に住む人関係なく、なかなか今の生活に満足しないのが人のようだ。
 
都市のあり方について、いま僕の中に答えはない。出来れば中国を歩いた後、他の欧米などの先進国の国々も巡って国のあり方について比較してみたいと思う。もしかしたら、都市のあるべき姿の何かヒントや処方箋が他の国にはすでにあるかもしれないからだ。
 
 
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お昼時に休んだ広場でみた一句。 
 
毛沢東は真理の太陽である」
 
公園みたいな広場の壁に書かれた言葉。今だに農村部では毛沢東を教祖のように拝められてる人もいるのだろう。
 
あまりにも誰かを崇敬しすぎることは、本当の真理から自身を遠ざけることになると僕は思う。
 
今日は猛暑の中をよく歩いた。
 
明日は少し歩く距離を減らして、朝一からまた歩き出そう。
 
Total: 754.9km
 
 
 
しうんより